小選挙区の投票記載所において幸福実現党が掲示されていなかった法的根拠

幸福実現党の候補が投票所で所属が空白になってる件 (と、追記)(タイトル変更) - mizchi log

の件。
最初元エントリのコメント欄に書いたんだけど、やっぱブログに書いといたほうがいっかということでこっちに移転。

まず、あれは「所属」ではなくて「候補者届出政党」ではないでしょうか。
東京都選挙管理委員会の投開票速報なんかで記載されているのも「候補者届出政党」になっています。
「候補者届出政党」は公職選挙法第六十二条第一項において

第八十六条第一項又は第八項の規定による届出をした政党その他の政治団体をいう

公職選挙法第六十二条第一項

とされていて、第八十六条第一項には

一  当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を五人以上有すること。
二  直近において行われた衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙若しくは比例代表選出議員の選挙又は参議院議員通常選挙における比例代表選出議員の選挙若しくは選挙区選出議員の選挙における当該政党その他の政治団体の得票総数が当該選挙における有効投票の総数の百分の二以上であること。

公職選挙法第八十六条第一項

とあるので幸福実現党は該当しないでしょう。ただ、本人届出だとしても同法第八十六条第七項において

当該候補者となるべき者の所属する政党その他の政治団体の名称(二以上の政党その他の政治団体に所属するときは、いずれか一の政党その他の政治団体の名称)を記載した文書及び当該記載に関する政党その他の政治団体の代表者の証明書その他政令で定める文書を添えなければならない

公職選挙法第八十六条第七項

とあるように今回の件であれば小選挙区の立候補者本人が「幸福実現党」と届け出ている"はず"です。
但し、投票所の掲示については同法第百七十五条第一項において

その他の選挙にあつては投票所内の投票の記載をする場所その他適当な箇所に公職の候補者の氏名及び党派別(衆議院小選挙区選出議員の選挙にあつては、当該候補者に係る候補者届出政党の名称。以下この条において同じ。)の掲示をしなければならない。

公職選挙法第百七十五条第一項

と規定されているため、掲示されるのは候補者届出政党のみとなるようです。
個人的にはやっぱり誤解を招くので、本人届出における政党又は政治団体名を掲示するようにしてほしいなぁとは思いますけどね。

ちなみに元エントリ主が情弱だとか言われてますが、自分はそんなこと全然無いと思うけどなぁ。自分も政党交付金で既成政党が優遇されているのは当然知っていたけど、公職選挙法上でも既成政党が優遇されているなんてのは全然知らなかったし。(政見放送見てない証だなw)ましてや、投票所の記載において既成政党しか掲示されない仕組みなんてもちろん知らなかった。で、こうやって事実を知った人がなんかおかしくね?って声を上げていくのが重要なんじゃないかなぁ。

 政治団体幸福実現党」は24日、衆院選選挙区の投票所に掲示される候補者一覧で、同党の候補者に団体名が併記されず、政党の候補に比べ不利な扱いだとして、20日に総務省に改善を申し入れたと発表した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090824/elc0908241831002-n1.htm

ちなみに検索したらこんな記事が出てました。幸福実現党としては併記してほしかったようで。結果的にどっちのほうが投票が入ったのかは分んないですけど、とりあえず幸福実現党の候補者にいれようぐらいの感覚で投票所に向かった幸福の科学の信者の方を中心とした選挙人の方々がどの候補者にいれればいいか分んなかったなんてケースはあるのかもしれない。